乾癬外来
治療には継続的なケアと医療従事者との協力が不可欠
長崎県大村市の上田皮ふ科院長の上田厚登です。
当院では皮膚科と美容皮膚科の診療を行っておりますが、その中で特に円形脱毛症に悩む患者様が多くいらっしゃいます。突然髪が抜け始め、不安やストレスを抱える患者様の声を聞くたびに、私はその心の負担を少しでも軽減し、適切な治療を提供したいという強い想いを持っています。
円形脱毛症は、見た目に現れる症状であることから、自己評価に大きく影響を及ぼし、患者様の精神的な負担も少なくありません。そのため、私はまず、患者様一人ひとりに寄り添い、丁寧に診察を行いながら、最善の治療方法を提案することを心がけています。
当院では、ステロイド治療や紫外線治療など、最新の治療法を駆使し、保険適用の範囲内で患者様の負担を軽減できるよう努めています。円形脱毛症は一人一人の症状や進行具合が異なります。そのため、正確な診断と個別の治療プランが欠かせません。長崎県大村市で円形脱毛症にお悩みの方は、上田皮ふ科までお気軽にご相談ください。
当院の院長は、日本皮膚科学会が認定する専門医資格を持っており、日本の医師全体のわずか1.7%しか取得できない、厳選された皮膚科のスペシャリストです。340,000人の医師の中でも約6,000人のみがこの資格を持っており、円形脱毛症に対する的確な診断と治療が可能です。
当院では、円形脱毛症に対して効果が期待される紫外線治療(PUVAやナローバンドUVB)を行っています。紫外線治療は、脱毛部分の回復を促進し、比較的軽度の副作用で治療を進められるため、患者様にとって負担が少ないのが特徴です。この治療法も保険適用で行えるため、費用の心配をせずに治療を受けていただけます。
円形脱毛症は原因や症状が様々です。当院では、個別の症状に応じた治療プランを複数ご用意しています。ステロイド注射や局所免疫療法、内服薬の提案、そして紫外線治療など、幅広い治療選択肢で対応し、患者様の状態に最も適した治療を提供します。
円形脱毛症は、主に免疫システムの異常によって引き起こされる自己免疫疾患の一種です。さまざまな要因が絡み合って発症するため、その原因は一概には言えませんが、以下の3つが主な要因とされています。
自己免疫疾患とは、本来は外部からの侵入物(ウイルスや細菌など)を攻撃する免疫システムが、自分自身の細胞や組織を誤って攻撃してしまう状態を指します。円形脱毛症の場合、免疫システムが毛根部分を攻撃することで、髪の成長が停止し、脱毛が起こります。
円形脱毛症は、家族に同じ病気の人がいる場合に発症しやすくなることが確認されています。遺伝的な要因が強く関わっており、特定の遺伝子が免疫システムに影響を及ぼすことで、発症リスクが高まります。
環境要因やストレスも、円形脱毛症の引き金となることがあります。精神的なストレスや体調不良が免疫システムを弱めることで、自己免疫疾患が活性化しやすくなります。
初期段階では、円形に髪が抜けるのが特徴です。髪の毛が突然抜け始め、直径1cmから数センチの脱毛部分が1つまたは複数現れます。これが「円形脱毛症」と呼ばれる理由です。
円形脱毛症は、症状の現れ方によっていくつかのタイプに分類されます。
以下では、5つの主要な種類とその特徴について詳しく説明します。
単発型円形脱毛症は、頭皮の一部に1箇所だけ円形の脱毛部分ができる最も一般的なタイプです。初期症状として現れることが多く、直径1cm〜数センチの円形脱毛が確認されます。
多発型円形脱毛症は、頭皮に複数箇所の円形脱毛が現れるタイプです。症状が進行することで、脱毛部分が互いに結びつき、広範囲にわたることがあります。
蛇行型円形脱毛症は、髪の生え際に沿って帯状に髪が抜け落ちるタイプです。特に後頭部や側頭部で目立つことが多く、脱毛部分が広がっていく様子が蛇行しているように見えることから「蛇行型」と呼ばれます。
全頭型円形脱毛症は、頭皮全体の髪が抜け落ちるタイプです。円形脱毛症が進行し、単発・多発から全頭に広がる場合があります。このタイプでは、頭皮全体にわたる脱毛が見られるため、精神的な負担も大きくなります。
汎発型円形脱毛症は、頭髪だけでなく、全身の体毛(眉毛、まつ毛、ひげ、体毛など)も抜けてしまう非常に稀なタイプです。全頭型からさらに進行した場合に見られることが多く、治療が難しいとされています。
円形脱毛症は、その症状の進行や脱毛範囲によって治療方法が異なります。
以下では、単発型、多発型、蛇行型、全頭型、汎発型の5つのタイプに対する治療法を詳しくご説明します。
外用薬 | ステロイドローション、塩化カルプロニウム外用 |
---|---|
内服薬 | セファランチン(保険適用) |
併用療法 | エキシマライトによる紫外線治療、ステロイド局所注射(保険適用) |
追加治療 | 発症から3ヶ月以上経過し、治療に反応しない場合、 |
外用薬 | ステロイドローション、塩化カルプロニウム外用 |
---|---|
内服薬 | セファランチン(保険適用) |
併用療法 | エキシマライトによる紫外線治療、ステロイド局所注射 |
追加治療: | 希望に応じて局所免疫療法(SADBE, DPCP)を行うことがあります。 |
外用薬 | ステロイド外用 |
---|---|
内服薬 | ステロイド内服またはステロイドパルス療法(点滴) |
追加治療 | 発症後3ヶ月以内で難治性の場合、 |
新薬情報 | 2023年8月以降、12歳以上に使用可能なJAK阻害剤「リットフーロ」が処方予定。 |
外用薬 | ステロイド外用 |
---|---|
内服薬 | ステロイド内服またはステロイドパルス療法(点滴) |
追加治療 | 難治性の場合、局所免疫療法やJAK阻害剤(オルミエント・リットフーロ)を検討。 |
円形脱毛症の症状を確認し、発症に影響を与える要因をヒアリングします。
皮膚科専門医が脱毛の状態を確認し、
単発型、多発型、蛇行型、全頭型、汎発型のいずれのタイプかを診断します。
患者様に同意いただいた治療法に基づき、初期治療を開始します。
治療開始から1~3ヶ月間は経過を観察しながら、必要に応じて治療法を調整します。
円形脱毛症は治療が長期にわたることがありますので、
定期的なフォローアップが重要です。
多くの治療法(ステロイド外用薬、セファランチン内服薬、紫外線治療、ステロイド局所注射、局所免疫療法など)は保険適用です。ただし、JAK阻害剤やミノキシジルなどの一部治療は保険適用外となる場合があります。
JAK阻害剤は、免疫の過剰反応を抑制する内服薬で、全頭型や汎発型の円形脱毛症に効果が期待されています。副作用として感染症リスクが増加する可能性があるため、医師と相談しながら使用します。
局所免疫療法では、SADBEやDPCPという薬剤を使って、脱毛部分に軽い炎症を起こし、免疫系を刺激して髪の再生を促します。副作用としてかゆみや赤みが出ることがありますが、治療の進捗によって調整が可能です。
紫外線治療は痛みを伴いませんが、照射後に肌が赤くなったり、軽いかゆみや炎症が出ることがあります。こうした副作用は時間とともに軽減されることが多いです。
ステロイド外用薬は効果が高い一方、皮膚の菲薄化や吹き出物などの副作用が起こることがあります。ただし、適切に使用すれば安全に治療が行え、副作用が現れた場合は使用を中止すれば回復します。
軽度の単発型円形脱毛症の場合、自然に回復することもありますが、放置すると症状が進行する可能性があるため、早期に治療を開始することが推奨されます。
治療期間は個人差がありますが、一般的には3ヶ月から1年ほどかかることが多いです。症状の重さや治療の反応に応じて期間が変わります。定期的なフォローアップが必要です。