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おむつかぶれ・よだれかぶれとは
赤ちゃんの肌は大人の肌と比べて薄く、皮脂や水分を保つ機能も未熟です。そのため、おむつやよだれなど、ちょっとした刺激がきっかけで赤み・かゆみ・ただれなどのトラブルが起こりやすくなります。赤ちゃんの成長には避けて通れないことも多いですが、原因や予防策を理解し、正しいケアを心がければ症状の軽減や悪化防止が期待できます。ここでは、代表的な皮膚トラブルであるおむつかぶれとよだれかぶれについてご紹介します。
おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)について
- おむつかぶれの原因
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1. 湿気と蒸れ
おむつの中は排泄物や汗によって湿気がこもりやすい環境です。蒸れたままの状態が続くと、赤ちゃんの敏感な肌が刺激を受け、炎症を引き起こしやすくなります。
2. 尿や便の刺激
尿や便に含まれるアンモニアなどの成分が皮膚を刺激します。長時間接触するほど刺激が強まるため、こまめなおむつ交換が不可欠です。
3. 摩擦によるダメージ
サイズの合わないおむつや、フィットしすぎるおむつの締め付けによって肌が擦れやすくなります。繰り返し摩擦が起こると、赤みやかゆみ、ただれの原因になります。
4. 洗浄・拭き取り過ぎ
排泄後に清潔を保とうと、ゴシゴシ強く拭きすぎるのも肌を傷つける原因です。刺激の少ない方法で優しくケアすることが大切です。
- おむつかぶれの症状
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- おむつが当たる部分(お尻・太ももの付け根・下腹部など)の発赤、かゆみ
- ヒリヒリする痛み
- ただれや水ぶくれ、皮のめくれ
- ジュクジュクしたり黄色い液が出たりする場合も(重症化すると細菌感染を起こす恐れあり)
- おむつかぶれの予防・ケア
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1. こまめなおむつ交換
少しでも汚れたら早めに交換することがポイントです。特に便が出た時は、できるだけすぐに取り替えましょう。
2. 優しく洗浄・拭き取り
シャワーやぬるま湯で洗い流す場合は、強い水流を当てたりゴシゴシと擦ったりせず、柔らかいガーゼや手のひらで優しく行いましょう。
おしり拭きシートを使うときも同様に、デリケートな肌を傷つけないように気を付けてください。3. しっかり乾かす
洗った後はタオルで押さえるように水分を取り、可能であればしばらくおむつをつけずに風を通してあげると、湿気を逃がせて効果的です。
4. 保湿・外用薬の使用
軽度なら保湿剤で肌のバリア機能を整えるだけでも改善が期待できます。赤みが広がる・かゆみが強いなどの場合は、医師からステロイド外用薬などを処方してもらいましょう。
よだれかぶれ(よだれ皮膚炎)について
- よだれかぶれの原因
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1. よだれの刺激
歯の生え始めや離乳食の時期になると、よだれの量が増えます。口周りやあご、首などによだれが付着し続けると肌に刺激を与え、かぶれやすくなります。
2. 拭き取りの摩擦
食事の際やよだれを拭く回数が増えるほど、肌を擦る機会も増加。紙や布ナプキンなどによる摩擦で肌が荒れやすくなります。
3. 口周りに残る食べかす
離乳食の食べこぼしやミルクの飲み残しなどが口周りに付着していると、菌が繁殖したり、酸性・アルカリ性のバランスが乱れたりして肌トラブルを引き起こしやすくなります。
- よだれかぶれの症状
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- 口やあご、首周りの赤み
- 細かいブツブツや湿疹
- かゆみやヒリヒリする痛み
- 症状が進行すると、ただれたり、汁が出たりする場合も
- よだれかぶれの予防・ケア
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1. やさしく拭き取る
よだれや食べこぼしを拭くときは、軟らかいガーゼやコットンなどを使い、肌をこすらないように注意しましょう。こまめに優しく押さえるようにして取り除くのがポイントです。
2. 保湿を欠かさない
拭き取り後は肌が乾燥しやすい状態になっています。ワセリンや低刺激のベビークリームなどで保湿し、口周りの肌を守ってあげましょう。
3. スタイやタオルを活用する
よだれの量が多い場合は、スタイやガーゼタオルをこまめに交換して、常に口周りを清潔に保つように心がけます。濡れたままにしないことが重要です。
4. 食後のケア
離乳食やミルクの後は、口周りやあご、首元の汚れをしっかり確認します。できるだけ早めに拭き取り、必要に応じてぬるま湯で洗うなどして清潔にしましょう。
こんなときは病院へ
以下のような症状がある場合は、自己ケアだけでは改善が難しい可能性があるため、小児科や皮膚科に相談することをおすすめします。
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- 湿疹が広範囲に広がっている
- 皮膚がジュクジュクしている・膿が出ている
- 赤ちゃんが強いかゆみや痛みでぐずり、夜も眠れない
- 自宅ケアを続けてもなかなか改善しない
医師の診察を受けることで、必要に応じた外用薬の処方や、肌状態に合ったケア方法のアドバイスが得られます。早めに受診することで症状の悪化を防ぎ、スムーズな回復を目指しましょう。
まとめ
おむつかぶれ・よだれかぶれは、どちらも赤ちゃんにとってよくある肌トラブルです。原因となる摩擦や刺激、汚れをできるだけ早く取り除き、こまめな交換や優しい拭き取り、適切な保湿を行うことで予防・改善が期待できます。
もしもかゆみや痛みがひどく、赤ちゃんが不機嫌になったり、治りづらいと感じたりする場合は、できるだけ早めに専門家の診察を受けましょう。赤ちゃんの肌の状態をしっかり把握し、正しい対処をしていくことで、快適な毎日をサポートしてあげることができます。
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