粉瘤(ふんりゅう)治療
傷跡が小さく、患者様の負担が
少ない治療を採用
粉瘤は誰にでも、体中どこにでもできる腫瘍で、放置すると徐々に大きくなります。
よほど大きくならない限り生活に支障はありませんが、自然治癒は望めません。
手術するしかなく、これまでは大きな傷を残し、何度も通院が必要で大変な治療だと思われていました。
しかし、上田皮ふ科では傷跡が小さく患者様の負担が少ない「低侵襲手術」を積極的に採用しています。
粉瘤の主な症状と見分け方
皮膚の下のできものは、
粉瘤の可能性があります。
- 皮膚の下に
腫瘍が
できる - 指で押すと
白い塊が
でる - 黒や青に
変色する - 炎症になると
痛くなる
ケラチン物質や皮脂が詰まった袋状の腫瘍が皮膚の下にできることで、皮膚が膨れ上がります。腫瘍の大きさは小さいものから10cm以上のものまであり、背中・首・顔にできやすいです。ニキビやおできと似ていますが、指で押すと悪臭がする白い塊などが出てきます。急な速度で大きくなり、黒や青に変色する場合もあります。
また、細菌が皮膚内部に侵入した場合は炎症性粉瘤となってしまい、痛みを伴い皮膚が赤く膨れ上がります。手術によって腫瘍を取り除くしかありませんが、粉瘤が炎症を起こす前と後では、手術の際に伴う痛みや、かかる時間などが大きく変わってきます。そのため炎症が起こる前の早期の治療が重要です。
粉瘤の原因
はっきりとした原因は未だに不明ですが、毛穴の上の部分で何らかの刺激により皮膚がめくりかえって、皮膚の下に袋状の構造物ができることが原因だと考えられています。
最初は小さいものが、袋の内部に角質や脂質が溜まって徐々に増大。手のひらや足の裏の場合は、外傷などにより表皮の成分が傷の中に入り、袋状の構造を作るため粉瘤ができると考えられています。
体質的に多く発症する方もいるのですが、どのような人に発症しやすいかは解明されておらず、ウイルス感染が関与しているという説もあります。
上田皮ふ科の粉瘤治療 5つの特徴
- 01すべて
保険適応 - 02痛みが少なく
綺麗な仕上がる - 03炎症でも
治療可能 - 04手術時間
が短い - 05日帰りで
手術可能
-
いちっ!治療のすべてに保険が適応
-
粉瘤治療は術前診察、検査、手術、術後診察などすべて保険適応になります。
-
にっ!痛みが少なく、綺麗に仕上がる
-
くり抜き法の場合は手術が小さく済むため、術中・術後の痛みが少なくなります。また、傷を最小限に抑えるために2〜5mmのパンチ(丸い)メスで治療。ほとんど傷跡が分からなくなる場合も多いです。他にも痛みを少なくするために、極細針の使用など様々な工夫を行っています。
-
さんっ!腫れたり炎症を起こしていても治療可能
-
上田皮ふ科の低侵襲手術(くり抜き法)の場合には、炎症を起こしていても手術が可能です。
-
しっ!手術時間は数分~10分程度
-
通常の手術では10〜15分程度かかりますが、低侵襲手術(くり抜き法)の場合は通常の手術より早く数分〜10分程度で終了します。 ※巨大なもの、癒着の強いものの場合を除きます。
-
ごっ!日帰り手術が可能
-
患者様の生活スタイルを考慮して、通学、通勤などに支障がないように治療します。粉瘤のサイズが極端に大きい場合は、必要に応じて入院施設のある総合病院をご紹介いたします。
粉瘤の手術方法
傷跡が小さく、手術時間が短い
「くり抜き法」
粉瘤は手術で切除するしかありません。これまでは皮膚を切開して粉瘤を取り除き、縫い合わせるという方法が主流でした。従来の手法は粉瘤の取り残しが少なく、再発率が低い反面、数cmの粉瘤を切除するのに、粉瘤と同じサイズの大きな傷が残ってしまうという欠点がありました。
上田皮ふ科では粉瘤手術の低侵襲化(できるだけ傷が小さく、患者様の負担を軽くすること)を積極的に行っているので、痛みが心配な方もご安心ください。大型のものや癒着が強いものを除いては、以下のくり抜き法という方法で治療します。
- くり抜き法の特徴
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くり抜き法(臍抜き法)とは、粉瘤に小さな孔をあけて粉瘤の内容物を絞り出した後に、そこからしぼんだ粉瘤の袋を取り除く方法です。従来の手術方法と比べて、以下のようなメリットがあります。
- 手術時間が短い(数分で終わることがほとんど)
- 傷跡がきわめて小さく、傷を縫わなくても済むことがある
再発率は従来の手術方法と変わらず、従来の手術方法の方が良い場合もあるため、粉瘤の大きさや部位に合わせて、最も美しく治る治療法を選択するようにしています。
- 手術の流れ
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- 01切除を行う粉瘤に印をつけて、局所麻酔を注射します。
- 02パンチで粉瘤に孔をあけて、粉瘤を取り除きます。
- 03傷口を縫い合わせて手術は終了です。縫わない場合もあります。
治療後のアフターケアもしっかり対応
粉瘤治療は
上田皮ふ科にお任せください
ご予約から
治療の流れ-
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Step1
診察予約
まずは治療の必要性について事前に診察をします。診察はネットで予約されるか当院に直接お越しになって現在の病状をご相談ください。
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Step2
診察・手術予約
診察を行います。診察後に治療の必要があると判断された方は、次回の手術の予約をお取りします。
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Step3
除去手術
ご予約日に粉瘤を除去する手術を行います。
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Step4
手術後
通常は1週間後(サイズが大きい場合には翌日)に、次回来院のご予約をお取りいただき治療終了です。
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アフターケア
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- 内出血
1週間〜10日ほどで自然に治りますので心配はいりません。
- 傷跡
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赤みや黒ずみは半年程度で消え、消えればそれほど目立たなくなることが多いです。早く消したい場合は、ハイドロキノン(美白)クリームによる治療をすることで、より早く改善することも可能なのでおすすめです。
- ケロイド
ケロイドができてしまった場合は、貼付剤やステロイド注射により治療することが可能です。
- 再発
人によって再発してしまう可能性がありますが、その際は当院が責任をもって対応いたします。
- 縫合不全傷が開いてしまった場合
通常は軟膏治療で治りますが、運動などで傷が大きく開いてしまうと、再縫合が必要な場合があります。
手術後について
-
手術後の日常生活について
- 手術後は通常通り出勤、通学が可能です。
- 手術当日は傷を洗う事ができません。翌日からは傷をご自身で洗っていただけます。翌日〜1週間は傷を湯船につけず、シャワー浴をしてください。傷を洗った後は薬を塗りガーゼとテープで覆ってください。薬、ガーゼ、テープはすべて当院および最寄りの薬局で購入可能です。
- 消毒や特別な手当は必要なく、1週間後の抜糸後はこれまで通りの生活が可能です。
- 術後48時間は飲酒と運動を控えていただき、術後1週間は激しい運動を控えてください。
- お尻の粉瘤を手術後にデスクワークをされる際は、30分に一度、10秒ほどお尻を浮かせてください。
手術後の症状についての注意事項
- 手術後は多少の傷が残ります。場合によっては内出血になることもあります。
- 体質によっては、ケロイドと言って傷が盛り上がる可能性があります。
- 再発したり、縫合不全(傷がすぐに開いてしまうこと)になる可能性があります。
粉瘤の治療費
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患者様のご負担が3割の場合
切除した粉瘤の
直径の合計露出部の場合
(顔・首・肘から指先まで、膝から足先まで)2cm未満 5,310~5,910円 2cm~4cm未満 11,340~11,940円 4cm以上 13,410~14,010円 切除した粉瘤の
直径の合計非露出部の場合
(露出部以外)3cm未満 4,170〜4,780円 3cm~6cm未満 10,020〜10,630円 6cm以上 12,810〜13,420円 患者様のご負担が1割の場合
切除した粉瘤の
直径の合計露出部の場合
(顔・首・肘から指先まで、膝から足先まで)2cm未満 1,770~1,970円 2cm~4cm未満 3,780~3,980円 4cm以上 4,470~4,670円 切除した粉瘤の
直径の合計非露出部の場合
(露出部以外)3cm未満 1,390〜1,590円 3cm~6cm未満 3,340〜3,540円 6cm以上 4,270〜4,470円 さらに病理検査費用が3割負担の場合は別途3,000円(1割負担は1,000円)程かかります。病理検査は必須ではないのですが、粉瘤から悪性腫瘍が発生した報告がゼロではないため、受けることをおすすめしています。
粉瘤治療についてよくある質問
- Q.粉瘤は悪性化することはありますか?
-
ほとんどありませんが、お尻に出来た粉瘤が悪性化したという報告はあります。
- Q.粉瘤は自然に治ることはありますか?
-
粉瘤は自然治癒しません。粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その内部に老廃物が溜まり、しこりになる疾患です。このしこりの中心に黒い点状の穴ができることがあります。仮に、この穴から中の老廃物を排出し、見た目上は膨らみがなくなったとしても、袋を取り除かなければ再び老廃物が溜まり、完治することはありません。その為、黒い点が見える、悪臭がするといった症状に気づいたら、早めの受診をおすすめします。
- Q.粉瘤の治療法を教えてください。
-
炎症が強い粉瘤(赤くはれていて痛みを伴う粉瘤)は、いったん皮膚を少し切り(皮膚切開術)、内容物を取り出す手術を行います。抗生物質や痛み止めの飲み薬も同時に処方します。炎症がしっかり治まってから、再度手術を行い、粉瘤を袋ごと取ってしまいます。
炎症の伴っていない粉瘤は手術で袋ごと取ってしまう方法が一般的です。その手術方法も、通常の外科的手術に加え、ほぞ抜き法(粉瘤に小さな穴をあけて、その小さな穴から袋を取り出す方法)を行い、傷が最も小さくなるようにさせていただいております。
- Q.粉瘤は必ず手術しないといけませんか?
-
基本的には良性腫瘍なので必ず取らなければいけない訳ではありませんが、年々大きくなっていくとこが多く、細菌が入り感染を起こすことも多いです。稀ではありますが悪性化の報告もあることから、手術で取った方が無難だと考えております。
- Q.手術は痛いですか?
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局所麻酔を行いますので、手術中の痛みはほとんどありません。ただ、局所麻酔を注入する際には、予防接種の注射と同じくらいの少しの痛みがあります。当院では極細の注射針で麻酔を行うなど、痛みの弱い方に向けた様々な工夫をしております。
- Q.粉瘤はすぐに取ってもらえますか?
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通常の粉瘤は診察後に予約をお取りいただき、改めて予約日に手術をさせていただいております。痛みや腫れを伴う粉瘤の場合には大きさに関わらず、当日に切開術(皮膚を少しきり、内容物を排出する治療)を行わせていただきます。
- Q.粉瘤を取るのにどれくらい時間がかかりますか?
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およそ10分〜20分くらいです。数mm程度の小さな粉瘤の場合は5分程度で手術が終わることもよくあります。
- Q.粉瘤を取るのに保険は効きますか?どれくらいの費用がかかりますか?
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はい、診断、検査、手術、病理検査すべて保険が効きます。費用についてはこちらをご覧ください。
- Q.入院は必要ですか?
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術後に定期な通院がしばらく必要となりますが基本的にはどちらも日帰り手術が可能です。こぶし大(10cm)の大きさを超えるような大きなものは、入院加療が必要になる可能性があります。
- Q.粉瘤の手術の後、どれくらいの頻度で通院しないといけませんか?
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通常の手術であれば、一週間後の抜糸まで通院の必要はありません。ただ、5cm以上もするような大きな粉瘤や、強い炎症を伴う炎症性粉瘤を切った場合は、翌日の通院をおすすめすることもあります。
- Q.粉瘤を取った後、お風呂に入ることは出来ますか?
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手術当日は出血のリスクがあるため、入浴は控えてください。翌日以降はシャワー浴にて石けんで傷を洗っていただいております。もしご自身で傷を洗うのがどうしても怖い、という方は当院に通院していただく方法もございます。抜糸までの1週間は、傷は湯船につけずにシャワー浴をしてください。
- Q.粉瘤を取った後、飲酒や運動はできますか?
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手術の当日、翌日は出血のリスクがあるため、飲酒は控えてください。その後は通常の量であれば特に問題ありません。運動も手術当日、翌日は控えてください。それ以降は軽い運動なら問題ありませんが、患部が関節にある場合は、その関節はなるべく動かさないようにしてください。
- Q.粉瘤を取った後、再発することがありますか?
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摘出法、くりぬき法で粉瘤を取り残し無く摘出した場合、再発の心配はまずありません。しかし、炎症を何度も繰り返している粉瘤の場合、粉瘤の病変があちこちに飛び散っているために、ごくわずかに取り残すことがあります。その場合は、数ヶ月〜数年で再発することがあり、その場合は再手術を行います。
- Q.手術の跡は残りますか?
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残念ながら全く傷が残らないということはありませんが、傷跡ができるかぎり目立たない方法をご提案いたします。また、お顔の粉瘤の手術の場合は、ほぞ抜き法という小さな穴から粉瘤を引っ張り出す方法を行っており、傷が最小限で済みます。術後はテーピング法をご指導させていただき、傷がもっとも奇麗に治るように取り組んでおります。