ミチーガ
アトピー性皮膚炎に伴うそう痒を改善させる
2021年12月13日にファイザー株式会社より、アトピー性皮膚炎の新薬として発売されました。50㎎・100mg・200mgの3剤形があります。
アトピー性皮膚炎の病態には、サイトカインと呼ばれる物質が関与しています。サイバインコは、サイトカインの産出を制御することで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、アトピー性皮膚炎を改善します。
サイバインコはオルミエント、リンヴォックと同様に、
JAK阻害薬と呼ばれるアトピー性皮膚炎の治療薬です。投与を休薬すれば元に戻ります。
従来の治療では、皮膚のバリア機能が低下したり、炎症反応が促進した部分を塗り薬や内服薬で抑えているのみでした。サイバインコは、炎症を引き起こす仕組みを根本からブロックするという点で、これまでとは全く新しい機序による薬剤と言えます。
アトピー性皮膚炎の治療は、新たな薬剤の承認が進み、いくつかの選択肢が存在します。
下記の表に、それぞれの薬剤の特徴や対象年齢などをまとめました。治療薬比較の参考にご覧ください。
薬剤 | サイバインコ | オルミエント | リンヴォック |
---|---|---|---|
投与方法 | 内服 | 内服 | 内服 |
投与間隔 | 1日1回 | 毎日 | 毎日 |
皮膚症状の改善度 | 高 | 中 | 中 |
かゆみの軽減度 | 高 | 高 | 高 |
効果発現 | 1~2日 | 1〜2日 | 1〜2日 |
安全性 | 定期的な採決で確認 | 定期的な採血で確認 | 定期的な採血で確認 |
導入前検査 | 胸部X線/採血 | 胸部X線/採血 | 胸部X線/採血 |
治療可能な年齢 | 12歳以上 | 15歳以上 | 12歳以上 |
※上記の表は公開されている知見を元に、当院での治療経験やドクターの私見を加えて作成しています。
高い効果を期待できますが、誰でも使用できる薬剤ではありません。
治療前に以下の内容を十分ご確認ください。
サイバインコは、デュピクセントやオルミエントが15歳から治療可能なのに対し、12歳以上から治療可能です。その他については、基本オルミエントと同じです。
12歳未満の方は治療ができません。12歳上の方のみ治療が可能です。
アトピー性皮膚炎による病変の範囲が体の表面全体の10%以上の患者様は治療が可能です。
医師による全般重症度評価(IGAスコア):3(中等症)以上
ASIスコア:16以上
PP-NRSスコア:4以上
アトピー性皮膚炎の症状について、ドクターが丁寧に診ます。
胸部X線と感染症や腎臓機能に問題ないか確認するため、採血検査をします。
(連携先内科で実施)
次回受診時に、結果を報告し、検査結果に問題がなければ、投与開始となります。