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デュピクセント

難治性アトピー性皮膚炎に対する
新しい選択肢「デュピルマブ」

2018年1月19日に、全く新しい作用機序によるアトピー性皮膚炎の注射薬デュピクセントが承認を取得しました。既存の内服薬・外用薬のみの治療では、どうしても効果の乏しかったアトピー性皮膚炎の患者様にとって、新しい治療の選択肢となります。大学病院、総合病院のみならず上田皮ふ科でも投与が可能な薬剤です。

効果は大変期待できますが、誰でも使用できる薬剤ではありません。価格が高額であることも考慮が必要です。しかしその高い治療効果から、治療中の患者様には大変喜ばれている方が多い治療法です。

どうしても改善しない難治性アトピー性皮膚炎でお悩みのあなたへ

九州の皮膚科クリニックで使用実績がNo.1の上田皮ふ科へご相談ください。

使用実績〉
調査期間 : 2018年7月1日 ~ 2023年6月30日
調査会社 : サノフィ株式会社
投与本数 :2018年7〜12月:8本/2019年1〜12月:22本/2020年1〜12月:13本/2021年1〜12月:35本/2022年1〜12月:31本/2023年7〜12月:29本/計:138本

湿疹やかゆみの原因を根本からブロック

デュピクセントの
作用機序

デュピクセントは、オルミエントやリンヴォックと同様に、
アトピー性皮膚炎の湿疹やかゆみの原因を根本からブロックする薬剤です。

デュピクセント

アトピー性皮膚炎を引き起こす主役は「Th2」というリンパ球です。オルミエントはTh2から分泌されて皮ふの炎症やバリア機能の低下を引き起こすサイトカイン(IL-4、IL-13)の働きをブロックすることで、アトピー性皮膚炎の発症や悪化を抑えます。

またデュピクセントは、Th0がTh2リンパ球に分化する過程を阻害するするため、Th2リンパ球の上流と下流で働きを抑制することができるのです。

従来のアトピー治療との違い

従来の治療では、皮膚のバリア機能が低下したり、炎症反応が促進した部分を塗り薬や内服薬で抑えているのみでした。デュピクセントは、炎症を引き起こす仕組みを根本からブロックするという点で、これまでとは全く新しい機序による薬剤と言えます。

デュピクセントの
有効性

アトピー性皮膚炎の重症度評価において、投与前から75%の改善が見られたという患者が、68.9%もいたという結果が出ており、他の治療法に比べてデュピクセントの優越性が証明されています。

デュピクセント
※EASI : 世界的に頻用されているアトピー性皮膚炎評価指標の1つ。体全体の他覚的なアトピー性皮膚炎重症度を表す。
※EASI-50/75/90 : EASIスコアがベースラインから50%/75%/90%以上改善した患者の割合

アトピー性皮膚炎 全身療法の比較

アトピー性皮膚炎の治療は、新たな薬剤の承認が進み、いくつかの選択肢が存在します。
下記の表に、それぞれの薬剤の特徴や対象年齢などをまとめました。治療薬比較の参考にご覧ください。

薬剤 デュピクセント オルミエント リンヴォック

投与方法

皮下注射

内服

内服

投与間隔

2週間に1回

毎日

毎日

皮膚症状の改善度

かゆみの軽減度

効果発現

1〜2週間

1〜2日

1〜2日

安全性

安全
結膜炎の副作用

定期的な採血で確認

定期的な採血で確認
ニキビ

導入前検査

採血

胸部X線/採血

胸部X線/採血

治療可能な年齢

15歳以上

15歳以上

12歳以上

※上記の表は公開されている知見を元に、当院での治療経験やドクターの私見を加えて作成しています。

デュピクセントの治療法と注意事項

高い効果を期待できますが、誰でも使用できる薬剤ではありません。
治療前に以下の内容を十分ご確認ください。

投与方法
デュピクセント

デュピクセントは1本の注射に300mgが含まれており、これを月に2回(2週間に1度)注射します。
初回のみ1回2本600mgを注射し、それ以降は1回1本300mgの注射を継続していきます。
注射部位は、両上腕(二の腕)、腹部、両大腿(ふともも)です。

治療可能な方
他の治療で効果が不十分な中~重症の成人アトピー性皮膚炎の方

成人アトピー性皮膚炎と診断されており、かつステロイド外用剤やプロトピック軟膏にて6ヶ月以上治療を行っている必要があります(あるいは副作用や過敏症のため、これらの外用療法が継続できない方)。

ステロイド外用やプロトピック軟膏外用でコントロールできている患者様は治療できません。また、免疫抑制剤(ネオーラル)やナローバンドUVBを併用すれば改善する患者様も治療ができない可能性があります。

15歳以上の方

15歳未満の方は治療ができません。15歳以上(高校生以降)の方のみ治療が可能です。

外用治療も併用できる方

注射で治療をされる方でも基本は外用治療です。注射が終了しても外用治療を継続していきます。
しかし使用する量が少なくなり、保湿剤のみでのコントロールできる方もいらっしゃいます。

以下の3つの項目が一定のスコア以上の方
  • IGAスコアが3以上
  • 全身又は頭頸部のEASIスコアが16以上
  • 体表面積に占めるアトピー性皮膚炎病変の割合(%)が10%以上

※これらのスコアは、当院の院長が皮疹の状態を見て判定します。

投与に注意が必要な方
喘息など他のアレルギー疾患を併発している患者様

デュピクセントは喘息にも効果があります。ただし、急にデュピクセントを中止したときに喘息が悪化して命に関わる可能性があるため、デュピクセントを投与中にも従来の喘息の治療は継続することが大切です。

寄生虫感染症の患者さま

現在の日本で寄生虫に感染するリスクはほとんどありませんが、寄生虫に対する免疫を低下させるため注意は必要です。

妊婦、産婦、授乳婦の方

完全には禁止されていませんが、基本的に投与は難しいとされています。

小児、高齢者の方

15歳未満の方は治療ができません。15歳以上(高校生以降)の方のみ治療が可能です。

よくある質問

Q.治療はいつから可能ですか?

初診の方は、まず診察をして皮疹の程度をスコア化します。条件を満たしていれば、次の受診時に治療可能です。

Q.治療は受診した当日に受けられますか?

初診時には投与できず、次の受診時からの投与になります。
当日、初診の方はこれまでの治療期間や治療内容を伺い、皮疹の程度をスコア化しなければなりません。
その上で適応と判断されれば、次の受診時に投与することになります。

Q.何回くらい治療すれば、効果が実感できますか?

1回の注射後、2週間で効果が認められます。
3ヶ月経過したときには、ほとんどの症例で皮疹、そう痒ともに明らかな改善が認められることが多いです。

Q.治療はいつまで行うのでしょうか?

いつまでデュピクセントを続けるべきかについて、明確な指標はありませんが、基本的に炎症とそう痒が治り、改善が実感できるまでは継続します。
最近の調査によると6ヶ月を目安として、よい状態が維持できるようならさらに合計1年間を目安に継続すると、注射を止めても再発しづらい状態になることが多いとの報告があります。
デュピクセント中止後も外用剤は継続する必要があります。
もし、外用のみで皮疹がコントロールできなくなったときには、デュピクセントを再開することもできます。

料金表